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疑惑の影
Shadow of a Doubt
 (アメリカ 1943)


製作 ジャック・H・スカボール
監督 アルフレッド・ヒッチコック
原作 ゴードン・マクドネル
脚本 ソーントン・ワイルダー/サリー・ベンソン/アルマ・レヴィル
撮影 ジョゼフ・ヴァレンタイン
音楽 ディミトリー・ティオムキン
ジャンル クライム/スリラー
リメイク Step Down to Terror(1958)

キャスト
テレサ・ライト チャーリー
ジョゼフ・コットン チャーリー叔父
マクドナルド・キャリー ジャック・グレアム
ヘンリー・トレイヴァーズ ジョゼフ・ニュートン
パトリシア・コリンジ エマ・ニュートン
ヒューム・クローニン ハービー・ホーキンス
ウォレス・フォード フレッド・サンダース
エドナ・メイ・ウォナコット アン・ニュートン
チャールズ・ベイツ ロジャー・ニュートン
アルフレッド・ヒッチコック 駅の男

内容
 退屈な日々を過ごす、娘チャーリーの所へ、突然彼女の叔父が現れ、しばらく一家とともに暮らすことになる。自分と同じ名前をもつこの叔父を娘は幼い頃から敬愛しており、彼女は大歓迎だったが、その叔父にはどうも不審な点が多かった。
 やがてふたりの探偵がやって来て、叔父に殺人容疑がかかっていることが知らされる。娘は不安になり、調べだした新聞には未亡人殺しの記事が載っていた。しかも叔父がみやげにくれた指輪に彫ってあったイニシャルは被害者のそれと同じ。はたして叔父は本当に殺人犯なのか。娘の不安は恐怖へと変わってゆく……。
 登場人物の恐怖心理を巧みに映像化したヒッチコック中期の傑作のひとつ。クロード・シャブロルエリック・ロメールが“めくるめく鏡面界”と分析したようにふたりのチャーリー、ふたりの探偵、列車の走るシーンがふたつ……。など2組のペアが次々と登場。
 また特筆に値するのがジョゼフ・ヴァレンタインの撮影で、緻密な映像が不安感をみごとに盛り上げている。