宿命

Celui qui doit mourir
 (フランス・イタリア 1957)


製作 アンリ・ベラール
監督 ジュールス・ダッシン
原作 ニコス・カザンザキス
脚本 ジュールス・ダッシン/ベン・バルツマン/アンドレ・オベイ
撮影 ジャック・ナトー/ジルベルト・シャン
音楽 ジョルジュ・オーリック
ジャンル 戦争/ドラマ
受賞 カンヌ映画祭 国際カトリック映画事務局賞

キャスト
ジャン・セルベ フォティス
ピエール・ヴァネック マノリオス
メリナ・メルクーリ カタリナ
フェルナン・ルドー グリゴリス
ニコル・ベルジェ マリオリ

内容
 “赤狩り”を逃れ、フランス亡命中のジュールス・ダッシンが「男の争い」のあとに撮った抵抗映画の傑作。
 4年間にわたるトルコ=ギリシャ戦争が終わった'22年、トルコ軍統治下のギリシャ人村を舞台に、援助を求めてやって来た難民たちを受け入れ、協力してトルコ軍に立ち向かっていく様を描く。
 ダッシン監督らしい格調高いリアリズム描写に支えられており、ことに、キリスト受難劇を村人たちが演じ、その役割にまるで沿うかのように物語が進行していくという形式が目を引く。ギリシャ悲劇を想起させるような荘重ともいえるストーリーも印象的。
 なお、本作が縁でダッシンと女優のメリナ・メルクーリは結ばれ、のちの「掟」「日曜はダメよ」などで公私ともにコンビを組むことになる。