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ノスタルジア
Nostalghia
 (イタリア 1983)


製作総指揮
マノロ・ボロニーニ/レンゾ・ロッセリーニ
製作
フランコ・カサティ
監督
アンドレイ・タルコフスキー
脚本
トニーノ・グエッラ/アンドレイ・タルコフスキー
撮影
ジュゼッペ・ランチ
音楽
ドビュッシー/ヴェルディ/ワグナー/ベートーヴェン
ジャンル
ドラマ
受賞
カンヌ映画祭 監督賞/国際批評家連盟賞/全キリスト教会審査員賞

キャスト
オレーグ・ヤンコフスキー
アンドレイ
エルランド・ヨセフソン
ドメニコ
ドミツィアナ・ジョルダーノ
ユージニア
パトリシア・テレーノ
アンドレイの妻
ミレナ・ヴコティッチ
シヴィル
ラウラ・デ・マルチ
メイド
デリア・ボカルド
ドメニコの妻

内容
 死を間近に控えた異邦人が二度と帰れぬ故郷の大地を切々と想いつつ、そのノスタルジアのくびきを超え出ていくさまが、重厚無比の詩的密度で描かれる。わけても、イタリアのとある寒村の湯治場を舞台に展開する詩人と“狂人”のエピソードが鮮烈。
 村人や湯治客から狂人扱いされているドメニコは、ロシアから来た詩人アンドレイに“世界の救済をかけて、ロウソクの火を消さずに湯治場の広場を横断するように”との謎めいた懇願をする。ローマの著名な騎馬像の上で、ドメニコが命がけのアジテーションの末に焼身自殺し、火ダルマとなって落ちる時、アンドレイは吹き渡る風ですぐ消えてしまうロウソクの炎を守りながら広場を渡り切ろうとする……。
 タルコフスキー監督は自らもソ連からイタリアへ亡命しており、詩人アンドレイに自身の姿を投影して故郷への想いを吐露したともとれる。火と水の暗喩に富んだイメージは彼一流のもの。ラストの雪の降りしきるイメージも深い感動を呼ぶ。