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タイタス
Titus
(イタリア・アメリカ 1999)
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ポール・G・アレン/スティーヴン・K・バノン/エレン・ディナーマン・リトル/ロバート・リトル | |
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コンチータ・エアロルディ/ロバート・バーナッチ/マーク・ビスガイアー/アダム・リープジグ/ジョディ・パットン/リンダ・ライズマン/ジュリー・テイモア/カレン・L・ソーソン/ミチヨ・ヨシザキ | |
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ジュリー・テイモア | |
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ウィリアム・シェイクスピア | |
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ジュリー・テイモア | |
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ルチアーノ・トヴォリ | |
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エリオット・ゴールデンサル | |
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ドラマ |
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斬新な造形美でブロードウェイに新時代を切り拓いた「ライオン・キング」の演出により女性として初めてトニー賞ミュージカル部門の演出賞に輝いたジュリー・テイモアが、シェイクスピアの一大悲劇を映画化。監督第1作目にして、これほど強烈な個性を発揮してしまうとは、やはりタダモノではない。 古代ローマの武将タイタスと、長男を生贄(いけにえ)にされたゴート族の女王タモラが血で血を洗う復讐合戦を繰り広げる。オモチャの兵隊で戦争ごっこをしている現代の少年が、いきなり古代ローマへと連れ去られてしまう冒頭から、アレヨアレヨと常識の枠を越えた演出が繰り広げられていく。 ナチス・ドイツの匂いが香り立つ街に、バイクや戦車が走り回り、登場人物は革のコートやメタリックなドレスで現われる。映画的というより舞台的な仕掛けが独特の様式美を生み出しているのだ。レイプされた上に両腕に枯れ枝を刺されて沼地にたたずむ娘という、残酷の極みをつくしたような悪夢のイメージが、絵画のような美しさで迫ってくる。 円熟期のボブ・フォッシーやフェデリコ・フェリーニの演出が蘇ったような華麗にして頽廃的なムードが全編に漂っている。さらには、アンソニー・ホプキンスとジェシカ・ラングの本気の演技合戦が映画の質を高めている。憎しみからは何も生まれないという虚しさがズシンと心に残る力作である。 |