拡大
女は女である
Une Femme Est Une Femme
(フランス・イタリア 1961)


製作
ジョルジュ・ド・ボールガール/カルロ・ポンティ
監督
ジャン・リュック・ゴダール
脚本
ジャン・リュック・ゴダール
撮影
ラウール・クタール
音楽
ミシェル・ルグラン
ジャンル
コメディ/ドラマ/ミュージカル/恋愛
パロディ
勝手にしやがれ(1960)
受賞
ベルリン国際映画祭 主演女優賞(アンナ・カリーナ)/特別賞

キャスト
ジャン・クロード・ブリアリ
エミール
アンナ・カリーナ
アンジェラ
ジャン・ポール・ベルモンド
アルフレッド
マリー・デュボワ
アンジェラの友人
ジャンヌ・モロー
バーの女
カトリーヌ・ドモンジョ
ザジ

内容
 このシナリオは「勝手にしやがれ」以前に書かれており、ゴダール自身は“これが本当の意味での処女作”と語っているとか。まさにその言葉にふさわしい。映画を“撮ること”と“見ること”の喜びが全編を駆け抜ける。幸福感あふれる作品になっている。
 物語は実にシンプルで、ある同棲カップルの痴話ゲンカの顛末。“どうしても子供が欲しい”女と。“結婚するまで欲しくない”男が、共通の知り合いであるもうひとりの男を巻き込んで、ドタバタと動き続ける。
 白を基調としたポップな色彩、生々しくもたおやかなカメラワーク、レイアウト感覚とポエジーが冴える字幕の挿入と、後年のゴダールの“登録商標”が若々しい雰囲気でひしめき合う様は圧巻。映像、音響、音楽が同一方向を目指さず、互いを高め合うような作用を働かせる独自のスタイルは、既にこの時点で完成していたことがわかる傑作だ。