拡大
旅芸人の記録
O thiassos
 (ギリシャ 1975)


製作
ヨルゲス・パパリオス
監督
テオ・アンゲロプロス
脚本
テオ・アンゲロプロス
撮影
ヨルゴス・アルバニティス
音楽
ルキアノス・キライドニス
ジャンル
ドラマ
受賞
ベルリン国際映画祭 ニューシネマ賞
カンヌ映画祭 国際批評家連盟賞

キャスト
エヴァ・コタマニドゥ
エレクトラ
ペトロス・ザルカディス
オレステス
ストラトス・パキス
エレクトラの父
アリキ・ゲオルゴリ
エレクトラの母
マリア・ヴァシリオウ
クリソテミス
キリアコス・カトリヴァノス
ピラデス

内容
 ギリシャ映画界の鬼才アンゲロプロス監督の作品中、「36年の日日」('72)「狩人」('77)の中間に位置する、現代ギリシャ史3部作の一本。'39年から'52年までの14年間、圧政、占領、叛乱などを通過してきたギリシャの、生々しい歴史を叙事詩的に綴った傑作。
 この動乱の時代、ギリシャ全土を巡業していく一座があった。12名前後の小さな一座は、各地で同国の古典劇を演じつつ、いつしか時代の目撃者の役割を果たしていく。
 アンゲロプロス監督は、寡黙だが力強い彼らの生き方を、驚異的ともいえるワン・シーン、ワン・カットの長回し撮影によってフィルムに収め、その民族意識にもとづく独創的な映画手法が、世界の映画界に新鮮な驚きを与えた。
 アガメムノン、エレクトラといったギリシャ神話の名前を戴いた芸人たちが、呼びこみの歌“ヤクセンボーレ!”を唱和しながら道中を行く場面が印象的。革命前の軍事政権下で4年の歳月をかけて完成させ、ひそかにカンヌ映画祭へ出品して、センセーションを巻き起こした問題作。