拡大
シテール島への船出
Taxidi Sta Kithira
 (ギリシャ 1983)


製作
テオ・アンゲロプロス
監督
テオ・アンゲロプロス
脚本
テオ・アンゲロプロス/トニーノ・グエッラ/タナシス・ヴァルティノス
撮影
ヨルゴス・アルヴァニティス
音楽
エレン・カラインドロウ
ジャンル
ドラマ
受賞
カンヌ映画祭 脚本賞/国際批評家連盟賞

キャスト
ジュリオ・ブロージ
アレクサンドロス
マノス・カトラキス
老人
ドーラ・ヴァラナキ
老婦人
ディオニシス・パパヤンノポロス
アントニス

内容
 準備中の作品の主役を探しあぐねている映画監督の現実と、彼の作り出す映画世界を二重構造で描いた、ギリシャの名匠、入魂の傑作。
 ふと通りかかったラベンダーの花を売る老人こそ求めていた主役の容姿だ、と直感したアレクサンドロス監督は、埠頭まで追いかけた末に老人を見失う。そこで場面は映画中映画に一転。アレクサンドロスが長らくロシアに亡命していた父スピロ(花売りの老人)を出迎えるシーンとなる。スピロは故郷の村をリゾート地にする計画を知って、村人と対立、再び追放の身に……。
 寒色系を基調とした山肌や港の映像が無類の情感をたたえる。桟橋のラストシーンが、いぶし銀のように渋く重厚な味わいを残す。