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マレーナ

Malena
 (イタリア・アメリカ 2000)


製作総指揮
ファブリゾ・ロンバルド/テレサ・モネオ/マリオ・スペダレッティ/ボブ・ワインスタイン
製作
ハーヴェイ・ワインスタイン/カルロ・ベルナスコーニ/マリオ・コトーネ
監督
ジュゼッペ・トルナトーレ
原作
ルチアーノ・ヴィンセンツォーニ
脚本
ジュゼッペ・トルナトーレ
撮影
ラヨス・コルタイ
音楽
エンニオ・モリコーネ
ジャンル
ドラマ/恋愛
パロディ
ターザン(1932)/ポンペイ最後の日(1935)/駅馬車(1939)/ジェーン・エア(1944)

キャスト
モニカ・ベルッチ
マレーナ・スコルディア
ジュゼッペ・スルファーロ
レナート・アモロソ
ルチアーノ・フェデリコ
レナートの父
マチルド・ピアナ
レナートの母
ピエトロ・ノタリアンニ
ボンサイノア教授
ゲターノ・アロニカ
ニーノ・スコルディア
ジルベルト・イドニア
アヴォカート・セントルビ

内容
 第二次大戦下のイタリアはシチリア島。12歳のレナート少年は初恋を経験する。彼女は村一番の美人と噂される人妻のマレーナ。しかし徴兵された夫が戦死したという知らせがあってから、マレーナを狙う男性の間でトラブルが起こり、彼女は村の女性達から淫売と陰口を叩かれるようになるのだった…。
 少年の日の淡い初恋を描いた本作「マレーナ」。原作はトルナトーレ監督が映画化を切望していたというルチアーノ・ヴィンセンツォーニの短編小説。でも、なかなか監督のお眼鏡に叶う「マレーナ」は見つからずに、いつの間にか小説は引き出しの中にしまわれてしまったそう。
 そんな監督の心を揺るがした女優モニカ・ベルッチとの出会いは、ドルチェ&ガッバーナのCMで共演したのがきっかけ。きっと監督は、彼女の印象的な深い瞳、そして端正な顔立ち、官能的な体のラインに惚れ込んでしまったんだろう。映画ではそんな監督から見た憧れの女性が、見事に少年の目線として描かれている。
 さらにこの映画にはユーモアだってちゃんと挿入されている。劇中、しばし、描かれているレナート少年のとんでもない妄想は、監督の趣向からか、アメリカ映画のワンシーンを思い浮かべるシチュエーションで、少年とマレーナがキスを交わしているかのような笑えるものばかり。
 でもこの映画は、ただの少年の片想い映画だけでは終わらないのがミソ。ストーリーは、マレーナの美しさが原因で、彼女をどん底にまで追い詰めるような悲し過ぎる展開を迎えていく。見ている方としては、あまりの仕打ちに涙まで溢れてきそうになるほど。美しいって罪なのか?人に心はあるのか?でもそれに屈しない凛としたマレーナの姿に、心打たれること間違いなし!そして、またもやエンニオ・モリコーネの音楽に心安らぐ作品として名を残すことでしょう。